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なぜMUKUタイルは天然木なのにシロアリに食べられず、腐りにくいの?

公開日:2019年10月28日/最終更新日:2019年11月6日

店長/ヤナサン
店長/ヤナサン

こんにちは、店長のヤナサンです。

天然木(特に杉などの針葉樹)って屋外のエクステリアで使うとシロアリに食べられたり、数年で腐ってしまったりするイメージがありますよね?その点、樹脂系や広葉樹(ハードウッド)は食べられにくく、腐りにくいことから高くても選ぶ方が多いと思います。

今回はそんなシロアリや腐れについて少し詳しくお話すると共に、なぜ針葉樹であるMUKUタイルがシロアリや腐れに強いのかを解明していきたいと思います。

 

木材が”腐る”仕組み

木(の細胞壁)を作っている成分って知っていますか?

木の主要成分はセルロース・ヘミセルロース・リグニンから成り立っています。本来、人間を含む多くの生物はこの成分を体内で分解できる仕組みがないため栄養分にはなりませんが、腐れの原因でもある木材腐朽菌やシロアリなどにとっては格好の栄養源です。

3つの主要成分については木の細胞を鉄筋コンクリートに例えて、鉄筋がセルロース、鉄筋を結ぶ針金がヘミセルロース、コンクリートがリグニンとイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか?

木材腐朽菌とは糸状菌(カビやキノコ)の総称で、自ら分泌する酵素で木の細胞壁を分解しながら栄養として取り入れます。また、細胞壁を突き破り、仮道管や道管の中に菌糸(きんし)を繁殖させます。腐食(腐る)とは、このような腐朽菌の活動で木材の組織構造が破壊されていく現象です。

 

 

シロアリが木を食べるメカニズム

「木」を食べる虫は?と聞かれて一番に思い浮かぶのはシロアリではないでしょか?シロアリは”アリ”とつきますが、正確にはゴキブリの仲間です。

シロアリ:昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科 (Termitidae) 
クロアリ:ハチ目・スズメバチ上科・アリ科Formicidae

シロアリは木の細胞壁のセルロースを摂取します。しかし、シロアリ自身にはセルロースを分解する能力が備わっていないため、消化器系の中に共生する原生動物がセルロースを分解し、その分解物を吸収して養分にしているのです。(共生と言うと、クマノミとイソギンチャクなんかも共生ですね)

ウッドデッキや日本の木造住宅に被害を及ぼすシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。どちらも湿気の多いところを好むので、シロアリ対策には乾燥が有効です。腐朽菌に対してもシロアリに対しても、風通しを良くして常に木材を乾燥させるようにすれば、木材をさらに長持ちさせることが出来ます。

MUKUタイルが防蟻・防腐の理由

MUKUタイルはシロアリや腐れから守るため、「加圧注入処理」という加工法を採用しています。木材表面に薬剤を塗る防腐処理とは違い、自社の加圧注入処理タンクを使って木材の内部まで薬剤を浸透させます。日本ではJIS(日本工業規格)やJAS(日本農林規格)に規定されている安心・安全な加工法です。また、MUKUタイルで使用している薬剤はコシイプレザービング社のマイトレックACQという防蟻・防腐薬剤です。

「薬剤!?」と聞くと何か危なそう、危険そうなイメージがありますが、マイトレックACQの主成分は銅化合物塩化ベンザルコニウムです。

銅化合物:銅は10円玉や調理器具、抗菌グッズなどに使われており、殺菌作用もあります。
塩化ベンザルコニウム:赤ちゃんのおしり拭きや歯みがき粉、目薬に含まれる殺菌成分で、人体や生物への影響がなく安心です。

▼安全性をもっと詳しく知りたい方はこちら
http://www.koshii.com/acq/acq.html#

さらにMUKUタイルは長尺ではなく、全て製品サイズにプレカット後に加圧注入処理を行うことにより、より内部まで薬剤を浸透させています。


右:加圧注入処理前 左:加圧注入処理後

上記のような人体にも安心安全な処理が施されているMUKUタイルは天然木(針葉樹)でありながら防腐防蟻塗料を塗布することなく、無塗装で30年の耐久性を実現しました。
※耐久年数は使用環境によって異なります。

針葉樹、ソフトウッド(杉・桧など)の天然木=シロアリや腐れに弱いイメージがある天然木ですが、工法一つで長持ちする材に生まれ変わります。SDGsで脱プラスチックが叫ばれている樹脂製品や森林伐採で木材が枯渇している南洋系のハードウッド材が好まれる日本ではありますが、未来の環境や国内の森林保全を見据えた選択肢の一つとして防腐防蟻に強い国産材もあるんだなと思って頂ければ幸いです。

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