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こんにちは、テオリアウッドオンラインショップ店長のヤナサンです。
いつもは庭やDIYについて書くことが多いですが、今回は住宅をテーマに”木”について書きたいと思います。
少し昔のおさらい
現在、日本の家は【木造軸組工法・2×4(2×6)・コンクリート住宅・軽量プレハブ工法】など多岐に渡っています。
最も日本らしい家と言えば【木造軸組工法】ですね。木造軸組工法の原型は竪穴住居柱に見られるようです。(柱を立てて桁を支え、その桁に梁を架けて主要な構造としている)縄文時代(前14000年頃-前数世紀頃)から盛んに造られていた竪穴住居。日本人と家と木の深いかかわりが歴史を超えて垣間見えます。
店長も5年ほど前に自宅を新築しました。当時は「家」や「木」についてそこまで深く考えずに立ててしまい若干の後悔があります。家はデザインや間取りでしょ?という方もいるとは思いますが、やはり数十年と長く暮らす家はどんな木をどこに使うのかも非常に大切になってきます。そんな木についてまとめてみました。
住宅に使われる木の種類
スギ(杉)-針葉樹 ヒノキ科スギ属-
3月頃から花粉の方にはつらい針葉樹の”スギ”。住宅においては加工性に優れているため、構造材から造作材まで幅広く使え、古くから日本人が身近な素材として有用してきた。
杉は成長が早いことから、戦後各地で大量の植林が行われ、現在は九州や四国など南から成熟期を迎えています。スギの名は「直ぐ」「直ぐなる」からきているとも言われるように、ほぼ円形の樹幹が地面から真っ直ぐに伸びます。その素直さが表れた木目は、早材(春から夏にかけて成長する部分)と晩材(夏から夏の終わりに成長する部分)の差が明快で、柔らかい木肌は加工がしやすいのが利点です。早材晩材の違いは板では木目に、そして丸太では年輪となって見えます。心材と辺材の差がはっきりとしていて、辺材は淡い黄色、心材は濃い桃色をしたものが多く見られます。
ヒノキに比べて柔らかな杉は、以前は柱に使えても梁(はり)にはたわむので使えないと考えられていましたが、現在は70年生以上の木を用いれば、重い瓦葺(かわらぶき)であっても梁材としての強度が十分であることが確かめられました。こうした耐久性の調査(曲げ強度等)は各地で行われており、強度の確かなスギは、柱や梁などすべての構造材に、床板や天井板などの内装材(造作材)、建具材に利用できます。
ただし、土台だけは、ヒノキやクリ、ヒバなどの堅い材が向き、杉の場合は必ず赤身の芯持ち材を使います。(加圧注入処理された杉材はその限りではない。)
使用用途
構造材・内装材(造作材)・建具材
ヒノキ(桧・檜)-針葉樹 ヒノキ科ヒノキ属-
きめ細かい木肌のヒノキは、活用範囲が広い樹種。「檜舞台」「檜普請の家」は、一流、高級住宅の代名詞。
ヒノキの名前は、「火の木」つまり火起こしに使う木に由来するといわれます。火を起こせるほど内部までよく乾燥していて、狂いも生じにくいという特性をもち、古くから建築に用いられてきました。
「木曽ヒノキ」で有名な長野県木曽は江戸時代から森林保護が行われており、天然林のヒノキは高価な銘木です。戦後、ヒノキもスギと同様に拡大造林され、産地銘柄としては奈良県吉野や三重県尾鷲などが有名です。針葉樹の中では生長が遅く、同じ樹齢のスギよりも伐採期が遅いため、どうしてもスギより割高になります。
木口を見ると、心材と辺材の差がそれほど目立たない、控えめな表情をしています。辺材は黄色っぽい白色で、心材は淡い桃色。美しい艶のある木肌は綿密で、独特の芳香を楽しめます。
耐久性に優れたヒノキは、家の各所に用いられますが、特に建物の寿命に影響する柱や土台に最適です。綿密な年輪はかたく、虫が付きにくい成分も含有し、芯材は耐朽性の高さでも知られています。「ヒノキ風呂」も、ヒノキの耐水性を活かした使い方です。また、加工性にも優れ、丈夫で美しい木目は内部造作材や家具、工芸品にも用いられます。
使用用途
構造材(土台含む)、内装材(造作材)・建具材・デッキ材
ヒバ(檜葉)-針葉樹 ヒノキ科アスナロ属-
ヒバといえば、天然林の青森ヒバ(青森県)が有名ですが、天然林や天然更新による造林であるため、貯木量が年々減少、近年、保護林として規制されたことから伐採が制限されている。
※輸入材のベイヒバとは別種。
これから期待できる産地は、石川県の能登地方。青森県と同じく高湿で、曇天の多いこの地では、日射を好むヒノキが育ちにくいため、ヒバ、スギの山が形成されています。植林である能登のヒバは天然林の青森ヒバに比べて樹齢が若いため、丸太の直径が30~50cm程度のものも多く出回っています。そのため、並材である板目材や節あり材が取りやすいので、高級品である青森ヒバと同じ性能を持つ材が安価で入手できます。ヒバは、見た目はヒノキ材と似ていますが、ヒノキ材より色味が黄色っぽく、辺材が少なめで心材の割合が多く、心辺材での色の違いはあまりありません。
また、立木の状態での含水率は60%前後と低いため、天然乾燥でも含水率は比較的早く落ちます。生育が遅いため、主に流通しているのは80年生以上の材です。
ヒバ材の最大の特徴はその香り。これはヒノキチオールという殺菌性に優れた精油分に由来します。昔から「ヒバ普請の家には蚊が3年は寄り付かない」といわれ、特にシロアリに対する強さは他の樹種には見られないほどです。腐りにくく、耐水性があって湿気にも強い、強度もヒノキと同等という特性を活かして、土台や柱、軒廻り、浴室、濡縁、ベランダ、などに用いられます。
使用用途
構造材(土台含む)、内装材(造作材)・建具材・デッキ材
ジマツ(地松)-針葉樹 マツ科マツ属-
マツは東北から四国、九州以南まで広く分布し、”アカマツ・クロマツ”と呼び分けられている。
アカマツは雌松とも呼ばれ、内陸に多く生育します。クロマツは雄松(男松)と呼ばれ、耐潮性が高いため、海岸沿いの防風林としても多く見受けられます。また、国産のマツをジマツ、輸入材のマツをアカマツと呼び分けることもあるようです。
マツは松脂(マツヤニ)を多く含むため、火着がよく、薪の代わりに使われることもあります。辺材と心材の境界はあまり明確ではなく、辺材は淡い黄白色、心材は黄色を帯びた淡褐色です。木目は鮮明で耐水性があります。
マツは古くから社寺建築などにも使用されてきたが、平角材にした際のねじれや狂いの問題や後述のマツクイムシ問題から1990年頃からは構造材としての使用が大きく減りました。しかし、硬い冬目(晩材・濃い部分)とやわらかく保温性のある夏目(早材・明るい部分)のバランスの良さから、床材として注目されています。ただし、ヤニ分を含むため、脱脂乾燥された材をしようすることが望ましいでしょう。
明るい場所を好んで育ち、不毛な土地でも耐えられるため、内陸部を中心に植林されてきました。ただし、国産のアカマツ材は1970年代からカミキリムシが媒介するマツ材線虫病(マツクイムシ)による被害で、建築部材として生産されるエリアが限られてきてしまっています。現在は岩手県、福島県、長野県、岐阜県の一部で産出されていますが、生産量は年々減少し、希少材となっています。
最近ではアオ(ブルーステイン)と呼ばれる夏に伐採されたアオ(カビ)が入った材も人気があります。(強度や耐久性にはまったく問題ない。)
使用用途
一部構造材(梁、桁)、床材
カラマツ(唐松・落葉松)-針葉樹 マツ科カラマツ属-
秋になると広葉樹のように葉が黄色に変わり、落葉する珍しい針葉樹。信州(長野県)の佐久地方を原産とし、岐阜県以北に生育する。国内では信州や北海道で積極的に植林が進められたほか、東北にも多い。
生育が早く寒さや病害虫に強いことから、戦後、信州~東北・北海道で広範囲にわたり植林されました。また、ジマツとは異なり真っ直ぐ天に向かって育ちます。ただし、”旋回木”であるため、ねじれながら生長します。
※「旋回木」:繊維が樹心に対して通直ではなく、一方向に旋回(螺旋)しながら育つ樹木。
製材直後は肌色っぽいのですが、経年変化により赤みの強い渋い褐色となり、脂気が多いことから次第に美しい飴色になっていきます。また、夏目(早材・明るい部分)と冬目(晩材・濃い部分)の境界が明瞭で、木目がハッキリとしています。
見た目や性質ともに流通量の多いベイマツと似ているため、国産材活用の観点から輸入材であるベイマツに代わる材として国産のカラマツが期待されています。
ねじれ癖のある樹種ですが、近年では乾燥・加工技術が発展してきたおかげで構造材としての使用も容易になり、需要も増加しています。床材としては針葉樹のなかでは比較的硬さがあり、色も揃えやすい種類です。節にこだわらなければ供給量も安定しており、比較的安価で人気があります。
使用用途
構造材・外壁材・内装材・デッキ材
クリ(栗)-広葉樹 ブナ科クリ属-
ひと昔前まで庭木に多く見られたクリは、その実を縄文時代から食用していたといい、古くから日本人の暮らしに馴染み深い。
広葉樹のクリは針葉樹よりも生長に時間がかかり、現在は主産地での蓄積量が減っていて数の少ない高価な材となっています。
地方によっては柱材にクリを用いてきたところもありますが、最も使用されているのは”土台”です。重くてかたくて粘りがある一方、暴れやすい欠点は架構の最下部に置いて抑え込むことで、かたい材の性質を上手に利用することができます。
また、浸透性の塗料を塗装すると木目が映え、より魅力的になります。ピンホールと呼ばれるとても小さな節があるのも特徴の一つです。
シロアリや木材腐朽菌に有効なタンニンを含んでいるため腐りにくく、特に芯材は耐水性にも優れていることから、湿気の多い浴室などの水廻りに用いられます。お庭やガーデニングにクリの枕木が利用されるケースもあり、今はデッキ材・床板などとして人気があります。
※タンニン:植物界に広く存在している、芳香族化合物。多数のフェノール性ヒドロキシン基をもつ。革を鞣(なめ)すのに用いられる。また、茶やワインなどにも含まれる。
いわゆる「名栗」の語源は、兵庫県丹波の職人がクリ材を手斧で波型に削ったものが元と言われています。硬い材として扱われる広葉樹の中ではやわらかい方で、床材にするとほどよい硬さで足触りが良く立ち仕事などでも足が疲れにくいと言われます。また温かみがあり、素足で過ごす生活にも適しています。
使用用途
土台・床材・デッキ材
ケヤキ(欅)-広葉樹 ニレ科ケヤキ属-
美しい木目をもつ、広葉樹の王様。さまざまな杢が楽しめるケヤキは、重厚な質感で、玄関の式台、テーブルなどの天板などに適している。
かつては大黒柱といえばケヤキが多く、力が集中してかかるところだけに、木目の凛々しさが家族を守る象徴でもありました。広葉樹の中では、最も建築用材に向いた材で、「広葉樹の王様」とも呼ばれます。
かたくて強度があり、耐水性や耐朽性に富み、構造材にも利用されてきましたが、近年は量が少なく高価なため、あまり構造材としては使われず、玄関の式台や框(かまち)、床の間板など、住宅の大切なところに用いられ家全体を引き締めるために使用されています。家具用材としてもテーブルの天板やタンスなどに加工されています。
黄色みを帯びたつやのある材で、心材と辺材の差がハッキリしていて、心材はやや赤みがかり、辺材は淡い色合いです。肌目が粗く、木目も男性的な美しさがあります。特に樹齢300年以上のものは、玉杢(たまもく)や如鱗杢(じょりんもく)などの珍しい杢目を見せることもあり、最高級の銘木とされています。
また、赤ケヤキと青ケヤキに区別されることもあり、材質がよいとされるのが赤ケヤキで、青ケヤキは若木で比較的色が浅く辺材が多く暴れやすいと言われています。ケヤキは育ち方の違いで材料の質が違うため、呼び名を変える場合もあります。
大木になることもありますが、簡単に育つわけではないので高価な材料には違いありません。ただし、辺材を含む青ケヤキはわりと手ごろな価格で手に入ります。
床材としての価格はピンキリで、土場で数年寝かせた丸太を板に挽き7年以上寝かせた物から、濃い赤茶の心材部分だけを選んで製材したものまであります。後者は坪単価で数百万する場合もあります。青ケヤキは広葉樹の床材として一般的な価格に収まっています。
使用用途
内装材(造作材)・床材・建具材・家具用材
ブナ(山毛欅・椈)-広葉樹 ブナ科ブナ属-
ブナは、均一な肌色で規則的に並んだ木目が美しい。曲木として最適な建築材。
生命力が強く、単一で森を形成。本来はすべて辺材ですが、偽心材(ぎしんざい)と呼ばれる部分を形成します。偽心材は褐色または紅褐色、辺材は白色、淡黄色または淡紅色で境界は不明瞭です。
ほかの樹種よりも生命力が強く、単一樹種で森を形成することができます。ブナの森は非常に美しく、その代表が秋田県の白神山地。ヨーロッパではブナの森を「森の母」「森の聖母」と呼んでいます。
貯木量は豊富で、日本では現存量の最も多い広葉樹です。多くは均一な肌色をしており、小さな斑が規則的に並んだ木目はおとなしく、見た目も美しいです。ただ、以前は耐久性が低く、狂いが生じやすいため、豊富にあるわりには、建築用材として積極的に使われる場面は少なかったですが、昨今の乾燥技術の発達と合板加工技術により、その長所が生かされ加工需要が増しています。
一方、その性質から曲木に適しており、明るい木肌と主張しない木目から、家具用材として比較的好んで使われてきました。オイルなどの浸透性の塗料を重ね塗りすれば、ブナの美しさがより醸し出されます。ワックス成分が多く配合されている塗料は、比較的少ない塗り回数で仕上がります。また、ウレタン塗装やUV塗装のような塗膜を形成する塗料を使用するとブナの美しさをより強調するため、既製品の床材は塗膜塗装したものが多くあります。
主にヨーロッパからの輸入材であり、国産のブナを使用した建材は貯木量が多いわりには製造している工場がほとんどありません。板材にした際に狂いが生じやすく、歩留まりが悪いことが敬遠されている理由です。
使用用途
床材・家具用材
ヤマザクラ(山桜)-広葉樹 バラ科サクラ属-
硬く、表情のある材は、高級材として使用されている。輸入材のカバザクラが、ヤマザクラの代用品的に扱われることもある。
バラ科サクラ属の代表品種であるヤマザクラは、開花時期が園芸品種のソメイヨシノとほぼ同じで、春の山を美しく彩ります。吉野山の千本桜はもともとはこのヤマザクラであり、昔から和歌などに多く読まれている日本を代表する樹種の一種です。
長寿の木でもあり、ソメイヨシノが寿命60年程度なのと比べてヤマザクラは樹齢500年を超えるものもあります。
ヤマザクラは、カバやイタヤカエデと同じく単一品種ではなく「混ざり」が多い樹種。混ざりとは、個体差レベルの品種が交配し、新たな種ができることを言います。木材にした場合も、立木ごとに表情が違うため個体差があることを楽しめる木材となります。
心材は赤みを帯びた黄褐色で、辺材は薄黄色と色に大きな差があり、狂いが少なく加工性がよいことから腰板などにも利用できます。防虫・防水性も高く、磨くことで光沢も出ます。樹皮は美しく強靭なため樺細工(かばざいく)の茶筒や小箱、煙草入れなどに使われ、硬く滑らかな板材は家具などに用いられてきました。
建材としては、赤身を帯びた材が高級材として珍重され、屋敷や邸宅といわれるような建築に使用されてきた歴史があります。
ヤマザクラは高級材のため、代替品も多く、ヤマザクラと同じバラ科サクラ属のシュリザクラは、ヤマザクラより軽く、やわらかいため加工性がよく、楽器や木製サッシの枠材などにも使われています。床などに使用される材では、サクラに似ているミズメザクラが使われることもあります。主に中国からの輸入される通称:カバザクラも、代用品的な扱いで使われます。
使用用途
内装材(造作材)・床材・建具材
タモ(谷地 梻)-広葉樹 モクセイ科トネリコ属-
木目が縦に真っ直ぐ通り、はっきりしている。均質で粘りがあり、弾性が高いため枠材に適した樹種である。
タモ(別名「谷地ダモ」)は、読んで字のごとく谷の地、湿地に育つ樹種です。沢沿いで水はけのよい湿潤地を好み、湖畔などではごく普通に見ることができます。
主に北海道で育ちますが、広葉樹の中でも樹高が高く30m以上にもなり、直径も1mほどに生長します。生育の良さから、植林も多くされています。
ケヤキやクリと同様、大きな導管(どうかん)が年輪に沿って並ぶ環孔材(かんこうざい)に分類される広葉樹の仲間で、木目がハッキリしています。心材は淡い黄褐色がかった銀鼠色、辺材は明るく白っぽい黄土色で、心材と辺材の境界は明瞭です。
※導管:根が吸収した水分を枝・葉に送るための組織で、円柱形または多角柱形の細胞が縦に連なったもの。
※環孔材:導管が年輪に沿って環状に並んでいる材。
広葉樹の中でも特に木目が真っ直ぐ通っており、材質は均質で粘りがあり、節や材利用上の欠点も少ない種類です。
北海道には「ヤチダモ」のほかに「アオダモ」があり、アオダモはトネリコとも呼ばれ、主に野球のバットの材料として使われています。
ほかの材に比べ弾性が高く、ナラやカバほど硬くないため加工性も高い。関西では昔から手すりや幅木などの枠材に同じトネリコ属のシオジを好んで使っていましたが、近年は入手困難なため、北海道産のタモ材が使われるようになりました。
しかし、現在流通しているほとんどは、ロシアから中国を経て輸入された、日本のタモに近い品種の材です。
用途は多く、枠材のほかにカウンターや階段の段板などにはタモの集成材も多く使われています。
使用用途
内装材(造作材)・床材・建具材(枠等)
おわりに
まだまだ住宅で使われている樹種はたくさんありますが、今回は10種をご紹介させていただきました。木は樹種によって表情(見た目)や手触り(足触り)、木が持つメリットデメリットがあります。一生に一度の大きな買い物ですから、なんとなくでは決めずに、「自分たちは●●な暮らし方をしたいから●●な家に住みたいんだ」という思いをもって計画すればより満足のいく家になることでしょう。
しかし、「国産の木材を使って家を建てたいけれど、予算がそんなになくて」という人が少なくありません。でも、諦めないでください。節がないとか色艶が揃っていないとか、いわゆる銘木にこだわっていれば確かに高いものになります。それを枝の跡である節があるのは当たり前、年月が経てばだんだん色目も揃って艶も出てくる、むしろ強度が大切なのです。
発想を転換すると、木の家はけっして高くないのです。
事実、木の家の総工費に占める木材費の割合は、木をふんだんに使った真壁の家でも20%に満たないのが一般的です。さらにその2倍位の木材を使う板倉の家ですら坪単価60万円足らずで出来るのですから、適正価格の木をきちんと使い、他でいかに無駄を排するかが大きなポイントであることがわかります。
ここで、木材の使用量を抑えずに、総工費を抑える方法をいくつかご紹介します。
●工事の種別をなるべく減らすこと
たとえば造り付け収納は大工工事にすれば、家具工事は無しになります。
●素人でもできることはなるべく自分でやってみる(DIY)こと
床や家具、外壁まで自分たちで塗装したり、あるいは丸太の樹皮剥きを家族で行ったという例もあります。これは家づくりに参加したという喜びにもなるはずです。
●建具は最小限にすること
いずれは建具を入れられるように鴨居敷居は設けておき、とりあえずは布などを利用して間仕切りとしたり、障子の代わりにカーテンを使う方法もあります。
こうした工夫をした上で、必要なところにはきちんといいものを使うこと。それがコストを抑えて木の家をつくる秘訣です。
さて、住宅に使われる木として紹介した杉ですが、加圧注入処理をして屋外向けに加工したタイルがあります。
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お庭・駐車場・玄関アプローチなどにDIYすることができます。興味のある方はこちらもぜひご覧ください。
▼画像をタップすると施工前後の様子を見ることができます。